共依存とは?
共依存とは、「この人!」と思った相手から必要とされることに依存することを指しますが、その者同士が依存し合う関係を共依存関係と言います。
恋愛や親子関係だけに限らず、友人、上司、同僚、兄弟などの、
人間関係のなかで生まれる依存です。
【記事執筆者:心理カウンセラー畠山ユキ子】
一般社団法人全国心理技能振興会:認定心理カウンセラー:2011年から5000件以上(2025年現在)のカウンセリングを実施。愛着問題、毒親、機能不全家族から生じる生きづらさ、依存問題(恋愛依存、回避依存、共依存)や心の傷やトラウマ、親子問題や恋愛関係などの人間関係のご相談を現在も受けています。過去にはマスメディア出演等の活動経験も有り。
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共依存の恋愛傾向
■ 救済者になりたがる?
「救済者になる=相手にとって自分は必要不可欠な存在になる」
という考えが根底にあり、アルコール依存症やDVをするような相手
仕事金銭面でうまくいっていない人、性格面や情緒面に問題がある人など
自覚あるなしに関わらず、「救いがい」のある人を求める特徴があります。
しかし見返りを求める傾向もありますから、相手にしてあげたアドバイスを無視されたり、感謝されなかった場合
激しく落ち込んだり、罪悪感、自己嫌悪、相手への怒りなどの感情が襲ってきます。
そして「自分の幸せよりも相手の幸せ」を優先し、常に自分は後回しにする傾向があり
相手が幸せになって、初めて自分も幸せになる権利を得られ
るという心理があります。
共依存17の特徴
1:不正直(否認・投影・妄想)
2:感情の障害(凍りついた感情・歪んだ感情)
3:支配
4:混乱
5:思考障害
6:完璧主義
7:他者思考型
8:依存
9:恐れ
10:強剛性
11:批判主義
12:抑うつ
13:劣等感/誇大主義
14:自己中心主義
15:道徳観の欠如
16:無感動や無欲
17:悲観主義
参考記事:https://betterlate-thannever.github.io/Psychology-2e/第15章-心理学的障害.html
共依存の原因と心理
共依存の根本にある原因には、機能不全家族という健全ではない家族で育ったことによる アダルトチルドレンの問題 があると言われています。
機能不全家族の元で育った人に共通するのは、自己否定感が強く、自己評価が低い傾向があります。
そのため、人の役に立つこと、必要とされることに自分の存在価値を見出そうと依存したり、人に評価されること、認められることを通じて自分を肯定できると思い込み・・依存していきます。
顕著に現れるのが恋愛や夫婦などの親しい関係で、無意識でしょうが、、自分を必要としてくれるように仕向けたり、相手が自律することに怒りや悲しみ、見捨てられ不安を感じることもあります。
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アダルトチルドレンと共依存の関係
共依存になりやすい家庭環境
共依存の人が育った家庭環境には、機能不全家族という家族として機能していない中で育てられた人が多い傾向があります。
家族として機能していないというのは、ひとことで言うと「親子逆転」の関係性。
つまり、親(養育者)自身が大人として未熟であったり、なんらかの心理的な問題を抱えていたことから「子供らしく振る舞えなかった」というお話をほんとうによく聞きます。
子供なのに親である大人の面倒を見なければならない状況・・・
例えば、親の愚痴を聞かされる
自営業など仕事の手伝いをさせられる
家事や弟妹の面倒を母親の代わりを果たしていたことも、親子逆転と言えます。
そのため不本意ながらも、、
親との関わりを通じて
子供が親の代わりになったり
親の親になることで
子供側は、親から必要とされていると感じられたとき、「必要とされたときだけ」
自分の存在価値を実感できると学習していきますから
大人になってからもあのとき、親に必要とされた時のように、自分を必要としてくれる人を求めたくなります。
顕著に現れるのは、他者=恋人、好きな人
親しみを感じる人…
自分を強く求めてくれる人を求めたり、必要としてくれそうなダメンズに惹かれやすくなる人もいます。
人に必要とされたい欲求は、大なり小なり人間が持つ感情ではありますが、人に必要とされることに依存したり、他者からの評価に執着してしまいやすいひとは、生きづさらや、人間関係での問題が起こりやすくなります。
もしその自覚のある方は、共依存問題という切り口から解決や整理をしておくと、もっと軽やかな人生、自分らしく生きる道、より幸せな日々に繋がる糸口が見つかるかもしれません。